空蝉(うつせみ)

一体どれほどの死を繰り返しているのだろう。あたしは実感のない空虚な記憶を漠然と辿ってみた。

ここが都市部から離れているのか或いは郊外なのか、未だにあたしには解らない。あたしが知っているのは、
この屋敷が西欧の古城の質感を持っており、その外観に似合わぬ近代的な設備を持っているということくらい。
敷地の端がどこにあるのかも知らないし見たこともない。あたしの記憶の中に屋敷の外の景色はなかった。
広大な敷地の周囲には高い壁が張り巡らされているらしいと誰かに聞いたことがある。

あたしは長い期間住んでいるにも関わらず、この大きな屋敷に幾つの部屋が在るのかさえ正確には知らない。

最初に死んだのが何時のことだったかを思い出そうとして、あたしは、はたと気がついた。
ここへ来る以前の記憶があたしにはない。自分が生まれ育った幼少期の記憶が欠落している。
記憶の始まりは屋敷の地下室で目覚めた17歳のあの日。オリジナルの記憶は消去されたのだろう。
あたしには17年間分の知識だけが取り残されて、育ってきた記憶だけがスポッリ抜け落ちていた。
その代わりに何度も繰り返されてきた17歳からの悪夢の日々が折り重なるように、あたしの中に在った。

巨大な水槽で培養され飼育された肉の塊。それがあたし。この屋敷の地下室であたしは生まれた。
水槽から取り出した肉塊に記憶を移植して、あたしたちは生まれるのだと誰かに聞いたことがある。

屋敷には、あたしと同じようなクローンの少女たちが大勢飼われていた。
様々な人種から選りすぐられた少女たちは、皆それぞれに花のように香り立つ美しさを競っていた。
生まれ変わるたび彼女たちと話したことはある筈なのに、会話の内容はあたしの記憶に残っていなかった。

ふと見れば鏡に映る清楚な装いのあたしがいた。細長い手足にほっそりとした腰つき。小さな輪郭に華奢な首すじ。
ぬけるように白い肌は、しっとりした質感をもち傷一つ無い。涼しげな瞳にくっきりとした綺麗な眉をしている。
あたしは自分の容姿が、『上品な良家のお嬢さま風』 の無垢で可憐な少女であることを知っていた。

男のクローンたちも屋敷には居たが、過度の遺伝子操作に因ってヒトとは少し違うモノになっていた。
屋敷の主が発する言葉を待ち、その命令を遂行する為にのみ彼らは生かされていた。彼らは 『陰獣』 と呼ばれていた。
彼等は、あたしたちを陵辱するために作られたケモノ。醜い人間たちの快楽を満たすための邪悪な道具だった。

遠目から一見すればヒトに見えなくもないが、彼らの細部はヒトでないパーツで構成されている。
掌から生えた五指が舌であったり、猛獣の口腔をもつ者もいる。彼等の中には腕が二本以上あるものさえいた。
いずれも陰茎の形状が人間離れしており、自由自在にくねらせては少女たちを絶頂に誘い込むのだ。
記憶の断片を拾っているうちに、あたしは下腹部が疼くのを感じた。じんわりと太腿のあいだが温かくなる。

この屋敷では定期的に淫猥な見世物が催されていた。観客は特権階級と呼ばれる強欲で好色そうな人間たち。
今夜、あたしは見世物に出るために屋敷の一室へと呼び出された。舞台の袖へと通ずる部屋で見世物の準備が始まった。

がらんとした薄暗い部屋。白く華奢な肢体を晒すあたしの周りで屋敷の使用人たちが無言で準備を進めてゆく。
個性の無い表情をしている使用人たち。生気のない瞳で黙々と働く彼等もまたクローン人間なのだろうか。

やがて全ての準備が整うと、あたしは使用人たちに押し出されるように舞台へと向かう扉を開いた。

程よく空調が効いた薄暗い室内に明かりが灯った。壁面に取り付けられた無数のモニタ画面に映し出された裸体。
部屋中の大きな画面に映る沢山のあたし。何台のカメラで撮影しているのだろう。様々なアングルで撮影されている。

半円形の客席部分は中心へ向かって傾斜しており、舞台からは窪んだボックス席が蜂の巣のように整然と並んで見える。
ゆったりしたボックス席のソファーで寛ぐ観客たち。他の観客が視界に入らぬよう巧みに設計されている。
客席の形状に合わせた恰好で舞台は半円形になっている。あたしは裸のまま舞台の中央へと進んだ。
舞台の突端には一段高くなっている部分があった。その舞台の床は、あたしの背丈より少し高い位置にある。
客席から影になる位置にある階段を数段登ると、あたしはヒトが二人寝転べる円形の場所に辿りついた。

ズンズンと低音のベース音が響いている。白い肢体を淫らに見せるようモニタ画面が徐々に景色を変えてゆく。
舞台の端には、数匹の陰獣が裸でいた。彼らの姿を見つけた途端に、あたしの下腹部が急に火照りだした。
陰獣の一匹が飛び上がると舞台の端に手をかけた。二の腕の筋肉を膨らませ大きな躰を舞台へ持ち上げる。
上半身を押し上げた勢いで陰獣は舞台の上に易々と登ってきた。他の陰獣たちは舞台の傍へ来てじっと佇んでいる。

円形の舞台に上がった陰獣が、あたしの細い両肩を掴んで押し倒した。観客席から下品な喚声が上がった。
部屋中のモニタが屈強な陰獣の両腕であたしの白い太腿が開かれていく様子を映し出している。
膝を掴まれて左右に広げられた股間では薄っすらとした恥毛とふっくらした陰部が露わになっていた。
あたしの新しい躰は17歳の処女であり、陰門は一本の線のように閉じていた。

陰獣は肘と膝を巧みに使いながら股間を拡げた恰好で固定した。あたしの尻が舞台から少し浮き上がる。

開かれてしまった股間に向かって陰獣の指先が襲い掛かった。左右から陰門の淵に辿りつくと十本の指先が蠢いた。
菱形に秘裂を拡げながら指先は舌先となって陰唇をしゃぶり始めた。ざらついた感触に淡い色の陰唇が舐めとられた。
「…ぁはっ。ぁあっ…ぁ。」
思わず喘いだあたしの声が室内に拡がってゆく。集音マイクが陰獣の指先で嬲られた陰唇が放つ湿った音も拾っていた。
じゅるっ…ぴちゃぴちゃ…ちゃくじゅっく…ぢゃくじゅっぷ…ちゃっぷちゅっぷ。
陰門の淵にいた舌先たちは陰唇の奥をカメラに見せつけるように肉襞をしゃぶりながら拡げていく。
あたしの膣内から愛液が溢れて始めていた。今までの淫らな記憶が一斉に浮き上がって意識を支配していた。

潤んだ視界の先で観客席と陰獣の姿が揺らめいている。もう、あたしの下半身は自らの意思で股を広げている。
あたしの股間に顔を近づけてきた陰獣は、潤んだ秘裂の中心に息を吐きかけると薄っすらと笑うように口腔を開いた。
陰獣の口から長く伸びた舌は陰茎に似た形状をしていた。通常の陰茎よりも毒々しい姿のそれはヒクヒクと蠢いている。
その不気味なイチモツは、掌から生えた十本の舌先に拡げられた陰唇の中央へ突き立てられた。
「…ぁん゛っ…ぁあ゛っあひっ…。」
ぬるりと膣内に侵入してきた陰獣の太い舌先は、あたしの胎内に収まると内側の肉を舐めるように蠕動を始めた。
頭の中が余りの快感に真っ白になってゆく。仰け反って快楽に溺れた白い首筋から切なげな喘ぎ声が溢れた。


・それぞれのボックス席にはクローンの少女が接待をしている。客の好みに合わせ服を着ている少女、全裸でいる少女。
・淫らな見世物を眺めながら客たちが愉しむ。やがて少女たちはソファーに座った観客のズボンを脱がせていく。
・部屋中のモニタから溢れる淫猥な映像と重低音のリズムの中で、客に跨った少女たちが妖しく腰を振り揺らめく。
・陰獣に組み敷かれていた少女は、いつの間にか陰獣の上で白い股を広げて可愛い尻を振っていた。
・観客席に向かってガニ股気味に陰獣に跨った少女は、太い陰茎に貫かれて悦んでいた。微笑むように口元が緩んでいる。
・次々と円形の舞台に上がった陰獣たちは、ほっそりした少女の白い股間を拡げ、それぞれの異様な陰茎で犯してゆく。。。


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最終更新 2005年03月08日
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